仕事帰りや旅先で、気になったお店にふらりと入ってみたい。誰かと約束していなくても、もっと気軽に飲みに行きたい。そんな風に「ひとり飲み」を楽しむ女性が増えています。 自由にマイペースに楽しめる、女性のひとり飲みにぴったりなお店をご紹介します。
【閉店】ひとり飲みも、しっかり夜ごはんもOK!おひとりさま歓迎の神保町『ATSUMI食堂』
神保町『ATSUMI食堂』は二人の兄弟が営む浅草発祥の食堂
飲食店が山ほどある東京でも、一人でゆっくり夜ご飯を食べられるお店は意外と少ないもの。
一人の外食で「おいしいご飯を食べたい」という日におすすめなのが、神保町にある『ATSUMI食堂(あつみ食堂)』。
『ATSUMI食堂(あつみ食堂)』は、“おひとりさま歓迎”がコンセプトのお店。
大通りから一歩入った錦華通りに位置する店は、街の風景に溶け込んだ喫茶店のようなさり気ない佇まい。
ビールやワインを軽く1杯飲みながらご飯を食べたいときにぴったり。
もちろん、お酒を飲まずに食事だけの利用もOK。
うっかり通り過ぎてしまいそうなシンプルな外観ですが、入口に飾られたレコードジャケットと「パスタとごはん クラフトビールの食堂」と書かれた看板が目印です。
お店を営むのは、三浦賢さんと徹さん、二人の兄弟。
兄の賢さんがサービスを担当、弟の徹さんが調理を受け持っています。
もともと、お二人の実家は浅草で『阿つみ食堂』という大衆食堂を営んでいました。
浅草の『阿つみ食堂』が約70年の営業を経てのれんを降ろした後、2018年にその屋号を継いで、ここ神保町に『ATSUMI食堂』をオープンします。
「子どもの頃はお店の2階が自宅だったので、ランドセルを背負ったまま店の中を通って帰宅するようなアットホームな環境で育ちました。昔は実家が食堂だということをちょっと気恥ずかしく思ったこともあったけど、今思うと、自分の原点だったんでしょうね」という賢さん。
店内はカウンター10席に4人用のテーブルが1つ、2人用のテーブルが3つというコンパクトな空間。カウンターが中心のお店なので一人でも安心して入れます。
カフェのようにシンプルですっきりとした空間ですが、三浦さん兄弟が目指すのは、あくまでも「食堂」なのだそう。
「祖父母や両親がやっていた浅草のお店は、地元の常連さんや家族連れ、観光客まで、いろいろな人が来る食堂でした。
メニューも和食から、オムライスやハンバーグといった洋食まで、それこそ何でもあり。ごはんを食べに来る人もいれば、お酒を飲みに来る人もいます。
どんな人でも気軽に入れて、それぞれが好きなスタイルで過ごせる、それが「食堂」だと思うんです」
看板メニューのパスタや定食はちゃんとした夜ごはんを食べたい日に
しっかりごはんを食べたい人も、お酒を楽しみたい人も「ひとりでもゆっくりできるお店」をつくりたい。
浅草時代の食堂のスピリットを受け継ぎ、『ATSUMI食堂』では、ちゃんと夜ごはんを食べたい人のためにと「夜定食」を提供しています。
なかでも、人気の一品は「チーズたっぷりゴロっとミートソースセット」(副菜、ポトフスープ付き)。
名前の通り肉のかたまりがゴロゴロ入っているミートソースは、ひき肉のボソッとした食感はなく、口の中でほろりと溶けるようなふわっと軽い口当たり。
実はこのミートソースは、浅草の『阿つみ食堂』で二人の父親が作っていたハンバーグのレシピをベースにしたもの。
一度焼いたハンバーグをトマトソースで煮込んでソースを作るのがおいしさの秘訣。
お肉のコクや旨みはしっかりありながら、重たさはなくふんわり柔らかい絶妙な食感に仕上げています。
さらに、ミートソースの中にはチーズもたっぷり。
とろとろのチーズとミートソースがパスタにたっぷり絡んで、濃厚な旨みが口いっぱいに押し寄せます。
これは、間違いなく赤ワインが合う!
そして、もうひとつの名物は「信州太郎ぽーくの味噌漬け定食」(ご飯、副菜、ポトフスープ付き)。
味噌漬け焼きには、長野県上田市の『太郎ファーム』で育てた豚肉「太郎ぽーく」を使用。
長野県上田市の老舗味噌蔵『大桂商店』の無添加・天然醸造の味噌を使い、ちょっと甘めの味噌ダレに漬け込んだ豚肉を香ばしく焼き上げています。
表面がカリッと焼けた味噌のコクに、太郎ぽーくの脂の旨みと甘みがジュワッと広がり、冷たいビールのほろ苦さと相性抜群!
お疲れさまの一杯におすすめなのが、定食にクラフトビールが付く「夜定食クラフトビールセット」2000円。
軽くお酒を飲みながらご飯を食べたいな、というときにぴったり。
もちろん、白いご飯との相性は言うまでもなく最高。
味噌漬け焼きとご飯を一緒に頬張れば、至福の瞬間に包まれます。
野菜は同じく長野県上田市の『みどりの大地』から仕入れ、ご飯は土鍋で炊き上げるなど、素材や調理法にもたくさんのこだわりが。
「僕たちの祖父が長野県上田市の出身で、この店を始めるときにいろいろな生産者の方と出合えたことで料理に使う食材が決まりました。生産地へ足を運んで現地の様子を見学したり、上田という土地にとても大きな縁を感じています」と賢さん。
そして、定食に付くポトフには鶏肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、キャベツがゴロゴロ入っていて満足感あり。セットのスープでこの具だくさんはうれしい!
ポトフの味付けには塩を使わず素材の旨みだけで調味しているのだそう。
とてもやさしい味で、身体の疲れをほっと癒してくれる滋味深さ。
そして、副菜には手作りのポテトサラダ、ミニトマトのピクルス、生ハムなどの盛り合わせを提供。メインを待つ間のお酒のおつまみにもぴったり。
ほかにも、「ウニのクリームパスタ」「エビのカレークリームパスタ」「太郎ぽーくの生姜焼き定食」などの夜定食を用意。もちろん、ノンアルコールで食事だけの利用もOK。テイクアウトも可能です。
軽く飲みながら夜ご飯を食べたい人、お酒は飲まずにご飯をしっかり食べたい人、どんなシーンでも気負わず自然体で利用できるのが『ATSUMI食堂』の魅力。
夜ご飯は一日の仕事を乗り切った自分へのささやかなごほうびであり一番の楽しみ。食べる人の健康を考えた丁寧なおいしさが身体をいたわってくれます。
ひとり飲みに最適なおつまみメニューやクラフトビールが充実
なお、パスタや定食のほか、クラフトビールやワイン、カクテルなどアルコールメニューもひと通り揃っているので、ゆっくりお酒を楽しみたい人も安心。
ひとり飲みのお供にぴったりな「おつまみ6種の盛り合わせ」は、レバーペースト、生ハム、ナスのバルサミコ和えなどを盛り合わせたひと皿。
ほかにも「ソーセージ盛り合わせ」「太郎ぽーくの味噌マヨピザ」といったお酒によく合うおつまみメニューが揃います。
さらに「ミートソースだけ」というメニューも!
ミートソースは飲み物…ではなく立派なおつまみ。
あの絶品ミートソースだけをたっぷり堪能できる、夢のような一品です。
一人でもリラックスして過ごせる“おひとりさま歓迎”の空間
おひとりさま歓迎を店のテーマにした理由は「この界隈は夜遅い時間にちゃんとしたご飯を食べられるお店が意外と少なくて、仕事帰りの人が一人でも安心してご飯を食べられるお店があれば」と思ったことがきっかけだそう。
実際、お客さまは一人で来店する人が多く、カウンター全席がおひとりさまで埋まる日も多いのだとか。
「一人で飲みたい人にも、いろいろなタイプがあると思うんです。お店の人と話したい人や、静かにご飯だけ食べたい人、飲みながら読書したい人…うちはどんなスタイルも歓迎です」という賢さん。
ちなみに、もともとバンド活動をしていて音楽も大好きな賢さん。店内にはお気に入りのレコードのジャケットが飾られています。もし気になるレコードがあったら気軽に質問してみては。
さらに、2000年以降の予期せぬコロナ禍では、より一層おひとりさまのニーズが増加。
神保町の飲食店有志で立ち上げたプロジェクト「神保町おひとりさま歓迎ウイーク」に参加するなど、新型コロナウイルスのリスクは避けながら、外食の魅力を感じてもらえる新たな可能性を模索しています。
『ATSUMI食堂』のカウンターには「おひとりさま交換ノート」が置かれています。ノートを開くと「神保町でおすすめのお店」や「おすすめの本」「今日の気分」など、テーマごとにさまざまなコメントが。
過去に来店した人のコメントを読んだり、ペンを取って自分の思いを綴ってみたり、ノートを通じて交わされるやり取りは、子どもの頃に友だちとやっていた交換日記を思い出します。
デジタルなツールがあふれている現代では、こんなアナログなコミュニケーションは逆に新鮮。ひとりの食事でもこのノートを読みながら過ごせるので、つい読み耽ってしまいそう。
さまざまな書店が集まり「本の街」としても知られる神保町。神保町の本屋さんを巡って仕入れた本をここでゆっくり読むのもよさそうです。
『ATSUMI食堂』は一人でも気負わずリラックスして入ることができる、ちょっとおしゃれな食堂。自分のペースでサクッと飲みたい夜や、おいしい手作りごはんを食べたい日に、ぜひ訪れてみてください。
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アツミショクドウ
ATSUMI食堂
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東京都千代田区神田猿楽町1-2-4
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東京メトロ神保町駅より 徒歩4分
JR御茶ノ水駅より 徒歩7分
JR水道橋駅より 徒歩10分
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2,000円~3,000円(ランチ:1,000円~2,000円)
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定休日 日祝休
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営業時間 11:30~15:00、17:30~23:00/土曜 11:30~15:00
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